
醤油の町として知られる龍野ですが、その龍野から飛び出し、明治の日本ビール創業期に深く関与していた人物がいた――そんな驚きの歴史が語られた今回の第十三回おんこちしん倶楽部。講師は、龍野ゆかりの醸造家・横山助次郎の足跡を研究し、現代に「助次郎ビール」をよみがえらせた宰井琢騰さん。発酵のまち龍野の知られざる可能性とロマンに、参加者11名が大きな感動と誇りを分かち合いました。
テーマ:発酵のまち龍野の歴史と助次郎ビール秘話
講師:宰井琢騰(さい・たくま)さん
参加:11名
講師の宰井琢騰さんは、龍野出身の醸造家・横山助次郎の足跡を紹介。助次郎は明治初期に龍野を出て、キリンビール・アサヒビールの創業者たちと交わり、日本のビール造り黎明期に直接関わった人物であることを調査し、話してくださいました。さらには、サントリー創業者・鳥井信治郎と兄弟弟子であった可能性も示唆され、参加者一同、「龍野からこんな人物が出ていたのか」と大きな驚きと誇りを感じる時間となりました。
横井助次郎が明治時代に販売していたのは「日の出ビール」。その精神を受け継ぎ、宰井さんたちによって現代に蘇ったのが「助次郎ビール」です。まだ発展途上ながら、「龍野の発酵文化をビールという新たな形で未来につなげたい」という熱意が込められており、地域の新たな可能性として注目を集めています。
会場では、醤油をはじめとする発酵のまち・龍野が、なぜ多くの醸造家を生み出したのかという文化的・風土的背景にも話が及び、歴史と現代をつなぐ非常に意義深い会となりました。
次回のご案内
第十四回おんこちしん倶楽部
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日時:11月8日(土)13:30〜14:30
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講師:戌井祐一さん(東京在住・健康指導の専門家)
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テーマ:お塩と健康のお話
ストレッチなどの運動ではなく、日々の「食生活」、特に「塩の選び方」に焦点を当てた講座です。現代人の不調がどこから来るのか、その根源に迫る内容で、健康寿命をのばすヒントが満載です。お茶とお菓子付きで、どなたでもお気軽にご参加いただけます。
ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。
次回もおんこちしん倶楽部ならではの「知の旅」をご一緒いたしましょう。